しかしM2コンペティションは違う。エンジン型式名は、上級モデルのM3やM4と同様のS55B30A型。M専用開発ユニットに変更された。スペックは410ps/6250rpm、56.1kg・m/2350~5230rpm。従来比で40ps/8.7kg・mもパワフルだ。MT仕様のパワーウエイトレシオは3.93kg/ps、トルクウエイトレシオは28.70kg/kg・m。ともにクラストップ級の数値をマークする。M2コンペティションは、絶対的ともいえるパワーをはじめ、スポーツ性能を支えるストーリー性という点でもユーザーの心をわしづかみにする存在になった。

 足回りやシャシー関係の変更点は、アクティブMデファレンシャル、DSCリセッティングなど最小限。見た目でコンペティションだと識別するポイントは、ドアミラーや新造形の19インチ鍛造アルミなどわずか。従来のM2オーナーなら、フロントマスクの微妙な変化に気づくかもしれない。フロントバンパー左右のダクトへのエア吸入量を増やすため、コンペティションはエプロンがやや小さくなり、3本のエアスリットが入る。

街乗りから高速クルーズまで快適
アップテンポな走りは得意中の得意

 肝心の走りの違いはどうか。一般道を軽くドライブするようなシーンの場合、従来のM2との大きな違いを感じるチャンスはない。相変わらず弾性のきいたフラットな乗り心地で、街乗りから高速クルーズまで快適にこなす。

 もちろん、40psアップの力強さは明らかで、確実にパワフルになった。けれども、そもそも従来のM2が搭載していたN55型であってもパワーは十分だったから、「コンペティション用S55型でなければならない」と思うまでには至らない。

 峠道やカントリーロードに舞台を移す。ドライバーの気持ちが自然と浮き立つ点は、いままでと同様。アップテンポな走りは得意中の得意で、快適性は素晴らしい。

 サーキットのように最高出力がものをいうスポーツドライビングに徹すると、エンジンパフォーマンスの差ははっきりと表れる。高回転域におけるエンジンフィールとパンチの強さは、従来とまるで違う。