「俺をわかれよ」という
依存心が喧嘩を生む

 道を譲る・譲らない問題は、しばしば電車内でも起きている。たとえば、ドア付近など、明らかにそこにいたら邪魔というところにふてぶてしく陣取る人と、それに腹を立てて無言で強行突破して降りようとする人の攻防をよく見かける。彼らは双方、どのような心理状態なのか。

「世の中のほとんどのけんかは“愛してほしい、わかってほしい、助けてほしい”が原因で起こっています。つまり、双方の“依存心”がぶつかり合っている状態です。電車内を無言で押しのけて出ていこうとする人は『邪魔だろ、それぐらいわかれよ!』という依存心、それをされた相手は『何すんだ痛えだろ、やめろよ!』などの依存心があるのでしょう」

 では、このようなシチュエーションに出くわした場合、どのように対応するのが効果的なのだろうか。まず平氏は相手を「わかってあげる」ことの大切さ、を指摘する。

「感情的にならずに、『すみません、ちょっと降りさせてもらっていいですか』と言えるのが、人間の“成熟”というものです。そうすればどんなに鈍感な相手でも『ああ、すみません。気付きませんでした』と、どいてくれるものです」

 また、反射的に相手に怒りを感じてしまう人は「世界は敵だ」という独特の思い込みを抱えているものだ。

「『誰も自分を愛してくれないし、わかってくれない。社会は敵なんだ』という思い込みを捨て、『どうすれば人を動かせるんだろう』と考えること。腹が立ったときほど、実は優しく相手をわかってあげることが大切なんです」