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国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ

幼児人口は裾広がり
東京の子どもはなぜ増える?

とはいえ、子どもが減っている区と増えている区は真二つ

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第5回】 2012年6月19日
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幼児人口の増減は
区によって真二つ

 こうした因果関係分を割り引く方法として、統計の世界では「特化度」という指標を用いることが多い。例えば、過去10年間の子ども人口の増加率を、同じ期間の総人口増加率で割ると「子ども人口増加率特化度」が求められる。

 なお、国勢調査は便宜的に年齢を5歳で刻むが、幼児というと6歳未満の未就学児と考えるのが普通だろう。そこで以下では、幼児人口の定義を6歳未満に改めることにする。

 2000年~10年の東京23区の総人口増加率は10%。6歳未満の幼児人口増加率は7%。したがって、幼児人口増加率特化度は0.7となる。

 ちなみに、全国平均値は▲11.9、東京都多摩地域は▲0.2。数字にマイナスがつくと、総人口は増えたが幼児人口は減ったことを意味する(どちらも減少なら特化度はプラスになるが、東京にはその例はない)。

 この幼児人口増加率特化度を23区別に見ると、いくつもの興味深い結果が浮かび上がってくる。

【図2】幼児人口増加率特化度 2010年/2000年
 資料:総務省統計局「国勢調査」より作成
拡大画像表示

 まずは数字がプラスの区とマイナスの区に分けてみよう。プラスが14区、マイナスが9区。しかも、プラスの14区のうち13区で特化度が1以上、つまり総人口の伸び以上に幼児人口が増加している。子どもが減っている区と、目立って増えている区。まさに真二つといえる結果だ。

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池田利道
[一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也
[一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら

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国勢調査の結果は、大規模なデジタルデータベースとしてネット上で公開されているマーケット開拓情報の「宝の山」だ。反面、その内容があまりにも精緻であるがゆえに読み解き方は難しい。当連載では東京23区を例に取り、膨大な国勢調査データを実務に生かすヒントを紹介する。

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