高齢社会を通り越し、最近は超高齢社会と言うらしい。「超高齢」という言葉にはマイナスのニュアンスを感じるが、お年寄りが長生きすることは大変めでたい話である。要はバランスが崩れたところに問題があり、その意味では少子化の方がはるかに深刻である。
今年から、団塊の世代が高齢者(65歳以上)の仲間入りを始めた。今後ますます高齢化が進むことは、避けようとしても避けられないのだから、もっとプラス思考で高齢社会に向き合っていきたいものだ。
東京も超高齢化
2010年の日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上の高齢者の割合)は23.0%。ほぼ4人に1人がお年寄りである。
東京23区の高齢化率は、全国平均より約3ポイント低い20.2%。低いとはいっても、日本と同様高齢化が進んでいるとされるイタリア、ドイツの高齢化率がともに20.4%(国連統計による2010年値)だから、グローバルスタンダードに照らせば、東京も高齢化が著しいといって間違いがない。
区別に見て、高齢化率が一番高いのは北区の24.0%。次いで台東区の23.6%。この両区は、日本の平均を超えている。国連の定義では、高齢化率7%超を「高齢化社会」、14%超を「高齢社会」、21%超を「超高齢社会」と呼ぶ。とすれば、足立、葛飾、荒川、墨田、板橋の各区も超高齢社会になる*。
逆に、高齢化率が最も低いのは中央区の15.9%。ローカル判定では「若い街」と呼びたくなるが、グローバルスタンダードではこれも高齢社会にカテゴライズされる。
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* 2010年国勢調査結果による杉並区の高齢化率は、23区中3位の23.1%である。一方、住民基本台帳人口による同区の高齢化率は19.7%(23区中13位)であり、国勢調査結果と3ポイント以上の差がある(23区平均では、両者の差は0.1ポイント)。その理由として、杉並区は2010年国勢調査の年齢不詳が13.8%にのぼっていることの影響が想定される。従って、本稿では杉並区に関する論評を避けることとした。