「エレベーター渋滞」や「会議室不足」という、さまざまな企業で起きている積年の課題に、アナログな方法を駆使して挑んできた株式会社リクルートの佐野敦司・総務統括室室長と総務チーム(参照:「エレベーター渋滞」を改善したリクルートの超アナログな方法、「会議室不足」を改善したリクルートのアナログな方法)。そんな彼らが満を持して取り組んだのが、「トイレの混雑」の解消だった。
「トイレの混雑」解消に
リクルート総務部がいよいよ挑む
社員に快適な環境を提供し、最大限のパフォーマンスを出してもらうのが総務の仕事――それが株式会社リクルートの総務統括室・佐野敦司室長の持論である。
「総務の仕事をあえて事業のようにいえば、カスタマーは従業員、マーケットは従業員を取り巻く業務環境・オフィス環境全般、提供する商品は快適な業務・オフィス環境を提供するさまざまな有形・無形のサービス。すなわち、従業員の“不”に対するソリューションを開発することは、総務の価値進化、価値向上です」
そんな考えを持つ佐野室長が、積年の課題としてなんとしても解決したかったのが「トイレの混雑」だった。
同社が入居するグラントウキョウサウスタワーで働く従業員へのヒアリングと、グループ会社従業員の約1000人を対象としたアンケート(2018年7月実施)によると、普段はそれほど問題にならないが、ランチタイム前後(12時~15時)のピーク時の混雑はひどく、特に個室の少ない男性トイレは満員になりがちで、不満も多かった。
混雑でトイレの待ち時間が長くなれば仕事の効率を下げるだけでなく、おなかの弱い人には慢性的な苦痛を味わわせてしまう大問題になりかねない。
そこで佐野室長たちの総務チームは、「個室トイレの混雑」を解消するために、真面目に取り組むことにした。