この記事は、99%実話の物語(ストーリー)である『大富豪アニキの教え』の、【プロローグ】~【第4話】までを、全5回に分けて公開するものです。年収295万円、31歳ダメサラリーマンが、バリ島に住む世界レベルのウルトラ大富豪アニキに出会い、【25の教え】をこうて、人生の大逆転をはかる。
【第3話】童心
1966年、大阪府生まれ。食べるものに困るほどの「極貧」時代を過ごす。20代後半で、単身インドネシアのバリ島に渡り、無一文から事業を開始し、奇跡の大逆転。バリ島での資産は圧倒的で、現地関連会社29社を所有し、現地人従業員は5300名を超え、自宅がなんと25軒、さらに東京ドーム170個分の土地を所有する世界レベルのウルトラ大富豪。その「資産」は、「ありすぎて試算できないレベル」。地元の人々に、学校、病院、サッカー場などを寄付するだけでなく、52人の孤児の「里親」になるなど、今でも、困っている人には惜しみなく手を差し伸べている。
日本からやってきたほかの人々も、みんな、思い思いの悩みを抱えて、兄貴(アニキ)にいろんな質問をしていた。
それに対して、兄貴は、「ん?」と、1秒考えるだけで、即座に、即答していく。
そうこうするうちに、バリ島の夜は、静かに、深く、どんどん、ふけていく……。外からは、虫の鳴き声のほかに、鳥の鳴く声、時折、よくわからないケモノの鳴き声などが、聞こえてくる。
24時は、とっくに回り、すでに時間は、深夜の27時(というか朝の3時)に差し掛かっていたが、兄貴は、まったく疲れた様子もない。兄貴、すごい体力だ!
「よし、この時間やったら、間違いなくアレやな…」と兄貴はつぶやくと、パンッパンッと、手を叩いてお手伝いさんを呼んで、なにやら、聞き取れないインドネシア語で、要件を伝えていた。
5分後、どかどかと、人数分の「カップラーメン」が運ばれてきた。なんと、ウルトラ大富豪の邸宅で「カップラーメン」に出会えるとは思ってもみなかった。しかも日本製。「さぁ、みんなも食べや、完~全に食べや」と言うと、兄貴は、ものすごい勢いで「カップラーメン」を食べ出した。
「うま……。ザ・化学調味料が炸裂や。これがうまいんや。なにしろ、オレ、『カップラーメンの狼(おおかみ)』やからな」と言うと、兄貴は、ニッと笑った。
そして兄貴は、「暑いやんけ」とTシャツを脱ぎ、「おっ、やっぱり脱ぐと、完全にさわやかやな」というと、上半身裸のまま、ズズズズッとラーメンをすすった。
僕は、周りの日本人の質問が、ひと段落したのを見計らって、兄貴に質問した。
「兄貴。それでは、今の日本人に、絶対的に『欠けているもの』は、なんでしょうか?なんで日本人の大人は、毎日、楽しそうじゃないのでしょうか?満員電車に揺られているサラリーマンの目は、本当に、にごっています。あれを見せられたら、確かに、子どもたちだって、『大人になりたい』なんて思いません。今の子どもたちが、もっと未来に希望を持てるように、僕たち、大人が今、持たなくてはならないものは、どういったものなのでしょうか?」
兄貴は、「カップラーメン」をズルズルとすすりながら、突然、鋭い眼光を向けて、言い放った。
「あのな、いっちゃん。日本人はな、『童心』というものを取り戻す必要があるんやて」
兄貴は、ズズズズッと、カップラーメンのスープをすすった。
「『おとなしくしなさい』という言葉があるやろ?あれな、漢字で『大人(おとな)しくしなさい』と書くんやけれどな。ようするに、子どものように遊び心を持って好奇心全開でバコーンといかずにな、『おとなしくしている』のが『大人らしい』ということやねん」
「はい」
「せやけどな、いっちゃん…」
「はい…」
兄貴の目がギラリと光った。
「大人がな、なんや、ただ『おとなしくしている』だけではな、ボカーンと大成功できるわけ、ないんやて。いっちゃんだって、わかるやろ?波風立てずにな、誰とも口論もせずにな、出る杭にもならずにな、変わり者でもなくな、普通に『おとなしく』していたら、いつのまにか、ビックリビビンバの大成功!みたいなことになったら、『そんなアホな!』やろ。そんなわけわからんことになっちゃったら、もう脳みそコッパみじんやで」
「……兄貴、確かに、そうですね」
兄貴は、ズズズズッ!と、麺をいっきにすすった。