では、それでどうなるのか。方向としてはいい状況へ向かっているというのが、私の見立てです。もちろん、昨年のような在庫一掃セールをすると、少なくとも今年に関しては新しい家具を購入したいという顧客が減ってしまうので、短期業績についてはむしろ逆風が吹くことになるわけです。しかし来年、さ来年となると、徐々に業績が回復していく見通しになる。そうい方向に手を打ち始めていることが、重要だと思います。

「よい方向」へ向かっている
大塚家具がさらに狙っていること

 その上で、ただ従来の顧客だけを相手にするのではなく、新しい顧客層を取り入れる方向で動いているようです。

 直近の決算報告を見ると、具体的には2つの新戦略で成果が出始めていることに気づかされます。1つはコントラクトという、オフィスやホテルなどの家具内装を請け負う分野です。一級建築士が大企業の役員室を設計したり、一流ホテルのロビーやラウンジを設計したりするときの販売事業で、これが2018年下期にそれまでの2倍となる20億円規模の売り上げ(半期)に成長しています。

 このような分野では、品質の高い、ある意味でお金に糸目をつけないような家具を必要とするケースがあるわけですが、その需要はもともと大塚家具の商品とフィットしています。その上で、東京の街は五輪に向けてオフィスビルや高級ホテルの建設が次々と進んでいるので、コントラクト需要に力を入れるのは大塚家具の戦略としてはとても理にかなっているわけです。

 そしてもう1つ、大きく伸びそうな期待を感じさせるのが中国での高級家具販売です。大塚家具は大幅な赤字に転落し、財務的に厳しくなったことで、中国の流通企業であるハイラインズ社と資本提携をすることになりました。

 それで中国事業に急速に力を入れることになったわけですが、実はこの中国の富裕層ビジネスというのが、これまた大塚家具とよい形でフィットする可能性があると私は見ています。

 というのは、中国には日本の3倍くらいの富裕層が存在する上に、彼らは本当の高級品を購入する際にお金をけちけちしないという特徴があるからです。日本はここ20年間でデフレ経済が定着してしまい、富裕層向けの高級製品でもそれなりに買いたたかれてしまう傾向にありますが、その点で中国の富裕層は行動原理が違います。