90歳でも20歳若返る!
私は1930年(昭和5年)生まれ。
数え年で90歳になるベンチプレスの現役選手です。
これまで世界大会(70歳以上の部・47kg級)で、
4つの金メダルを獲得してきました。
最近テレビに出演することも多くなった私ですが、
日々実践している「医師も認める健康法」を、
あるがままにお伝えしていきます。

死ぬまで老けない食事術

体をつくってくれる
食べ物を大切にしたい

私は1930(昭和5)年生まれで、今年、数え年で90歳になります。

「奥村さんはいくつになってもお元気ですね。健康の秘訣はなんですか?」
そう聞かれると、私は必ず次のようにお答えしています。

「何よりも毎日の食事のおかげですよ」

あとで詳しくご説明しますが、私はベンチプレスをやっています。
ですから、質問する側は「筋トレのおかげです!」という答えが返ってくると思っているみたい。

そういう人はちょっと意外そうな顔をしますが、私は何より食事を重視しているんです。
私たちの体は、頭のてっぺんからつま先まで、食べ物でつくられています。
だから、毎日口にしている食べ物は何よりも大切にしたい。

主人の肇は2017年に亡くなりましたが、
生きているときは、何をつくっても「美味しい、美味しい」と言って食べてくれました。
だから毎日の料理もつくりがいがありました。

ひとりになったら、食べるのは自分だけだから、手抜きをしようと思ったら、いくらでもできます。
けれど、私は食事が何よりも大切だと考えていますから、手抜きは一切しません。

むしろ、主人とふたりだった頃よりも、食事には気をつけているかもしれない。
せっかくいただいた命なのですから、最後の最後まで元気にまっとうしたいですから。

これは主人と生前に交わした約束でもあります。
私は結構、食材をお取り寄せします。

梅干しは和歌山、明太子は福岡、ブドウは山梨……といった具合に、名産地を選んで日本全国から、よいと思ったものは迷わず取り寄せています。

また、お酢やオリーブオイルのように毎日使っている調味料や油も、できるだけよいものを吟味しています。

お取り寄せすると、お金がかかりますよ。
私は年金暮らしだから、決して裕福ではありません。
それでも、自分の体をつくってくれるものだから、食べ物には妥協したくないんです。

食べ物は安ければ安いほどいい、そんな風潮には賛成できません。
食べ物にはお金を惜しみませんが、その分、洋服なんかにはお金をかけていません。

私はどこへ行くにもジーパンです。
ジーパンは丈夫ですから、2本もあれば、3年でも5年でも保ちます。

ジーパンに合わせるTシャツやポロシャツは、ベンチプレスの大会に出て参加賞でもらったものです。
大会のロゴがデカデカと入っていますが、別にそのことに恥ずかしさも感じません。

トレーニングをしているので、幸いにも私の体型は娘時代と変わりません。
だから50年前に買ったウールのコートが、いまでも着られるんです。

ジーパンのように流行に左右されない洋服を着ていれば、そんなにお金はかかりません。
その分のお金を食事に回せば、健康でいられる。私はそう考えています。

(次回へ続く)