紅旗河の取水場所は海抜が比較的低いところにある。そのため、水量は十分にある。年間総供給水量は600億立方メートルに達する見込みだが、これは主要な河川の取水点の水総量のわずか21%なので、主要な河川の水量には大きな影響を与えずに済む。

 しかし、紅旗河の完成で、中国の西北ブロックの干ばつ地域には20万平方キロのオアシスをつくれる。全ルートで高水位を保っており、自然の流れで干ばつ地域の大部分をカバーしている。これらの地区の地勢はゆるやかで、太陽光も充分に届く。必要に応じて多くの支流をつくれば、延べ長さ1万キロ、幅20キロのオアシスエリアが形成できる。生態環境が次第に改善し、その効果が蓄積され、大きな経済的効果へと転化できるだろう。

水資源を総合的に開発利用すれば
中国経済は持続的な発展が可能

 より多くの地区で恩恵が受けられるよう、3つの主要支流の開設も考えられている。延安方向に向かう「紅延河」、内蒙古・北京方向へ向かう「漠北河」、およびトルファン盆地へ向かう「春風河」である。

 紅旗河が開通すれば、新疆に行く川水は毎年700~1000億立方メートルに達するだろう。この水資源を総合的に開発利用することで、西部地区の水不足は抜本的に解決し、中国経済の持続的発展を左右させる食糧安保問題や不安定な就業問題なども一挙に解消できるだろう、とプロジェクト支持者たちは見ている。

 もちろん、このプロジェクトには莫大な資金が必要だ。専門家の推測によると1万億元(約16兆円)前後になる。三峡プロジェクトの少なくとも10倍である。

 紅旗河の工事が完了したら最も顕著に現れるであろうメリットは、670万ヘクタールの砂地を農地に開発することができるということだ。これは中国の農業用土地を一気に増やすことになる。プロジェクト支持者は「その価値は都江堰のそれをはるかに超え、中国史上最も価値のあるプロジェクトとなる」と強調する。