日本の銀行株は先週、望ましくない記録を更新した。東証銀行株指数の配当利回りが、少なくとも1973年以降で初めて4%を上回ったのだ(リフィニティブ調べ)。取締役会がコーポレートガバナンス(企業統治)の観点から余剰資本を株主に還元しているのではない。主な要因は株価の下落だ。足元の株価水準では、日本の銀行セクターの評価額は純資産のわずか40%と、主要市場で最も低い。こうした状況は、株価が悪材料を全て織り込み済みであることに投資家が賭ける機会を生むうえ、状況は改善する可能性がある。だが初めに、考慮すべき悪材料が幾つもある。欧州では、経済の「日本化」に関する話が頻繁に聞かれる。欧州は日本と同様、マイナス金利と低インフレで身動きが取れないからだ。日本の銀行は、長くゆっくりとした死が株価に織り込まれる時に起きることを表している。欧州最大の問題銀行、ドイツ銀行ではほぼ間違いなく、既にこれが見られる。
日本の銀行、高い配当利回りが映す「緩慢な死」
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