ANAが需要の読みづらい「エアバスA380」を値崩れさせずに運航する知恵
本日、ANAの成田-ホノルル線に世界最大の旅客機・エアバスA380が就航した。ANAが需要の読みづらい大型旅客機を値崩れさせずに運航するには(写真はイメージです) Photo:PIXTA

エアバスA380がいよいよ就航も
「後継機は開発しない」のなぜ

 今回は、私がこれまで何度もコンサルティングに関わってきた航空業界の話題です。5月24日、ANAの成田-ホノルル線に世界最大の旅客機「エアバスA380」が就航します。エメラルドグリーンにペイントされた機体の愛称は「フライング・ホヌ」(FLYING HONU)、空飛ぶウミガメの意味です。

 ANAのA380は、その可愛らしいデザインや、世界のセレブが注目する世界一の朝食を提供するレストラン「bills」とコラボする機内食など、就航前から話題を提供しています。広々とした機内は合計で520席(ファースト8席、ビジネス56席、プレミアムエコノミー73席、エコノミー383席)。ホノルルへの旅が大きく変わりそうです。

 一方で、つい最近、A380を製造するエアバス社のギヨム・フォーリCEO(最高経営責任者)は、2021年で生産終了するこのA380について、後継機の開発計画もないことを発表しました。理由は、A380のような超大型機の需要が今後は見込めないからということです。

 1970年代からつい最近まで、世界の空を飛び続けたB(ボーイング)747ジャンボジェットも、いつの間にか姿を消しつつあります。航空業界にいったい何が起きているのでしょうか。

 かつての大型機が消えつつある背景には、B787に代表される中型機の航続距離とコスト性能が上がってきているという事情があります。それ以前は、大型機で一気に大量の旅客を運ぶほうがコスト的に安かった時代でしたが、今では中型機でも旅客あたりのコストは変わりません。しかも、東京-ニューヨーク路線のようにそれまで大型機でないと飛べなかった最長路線でも、中型機で飛べるようになりました。大型機の存在理由がなくなってきたのです。

 それに加えて、これがとどめといってよい事情ですが、IT技術の進歩でどの飛行機もほぼ満席で飛ぶようになってきました。つまり、満席が航空券の価格設定をする際の基準条件になったのです。それまでの「空席があって当たり前」の時代と違い、満席にならないと利益を上げづらい。そういった経済事情では、大型機は競争上損なのです。