創業家2代目トップに問われる説明責任

 強制調査の一報以降、株価は大幅下落。株主や取引先からは、「平田(前)会長は何をしているのか」との声が相次ぐ。創業者の長男で、1988年に社長に就任して以来、30年にも渡ってグループを牽引してきた平田氏は、従業員の前にも姿を見せず、沈黙したままだ。

 そもそも住宅事業は、祖業に続く新規事業を育てようと平田氏の肝いりで始まった。

 業界の中でも先駆けて免震あるいは国の規定を上回る強耐震マンションの開発に取り組んだ。これが東日本大震災以降、東北や首都圏で完売が続くヒット商品となり、このノウハウを生かした戸建ても展開。同社は建材・住宅設備機器メーカーの売れ筋を知り尽くしており、それらを組み合わせて設計、大量購入することで最高級性能ながら低価格な住宅を売りにしてきた。

 平田氏は2012年に弊誌のインタビューで「主婦が冷蔵庫にあるもので手早く美味しい料理を作るように、良い家をいかに賢く作るかは工夫次第である」と、流通から製造小売りへ拡大展開する独自戦略に自信を見せていた。

 さらに東北や九州で地産地消の復興住宅も展開。地元の材木店などと合弁で販売会社を設立し、資材は地元のものを優先して扱ったり、各地で施行勉強会を開き、中小工務店をサポートする体制を整えたりもしていた。

 平田氏といえば、都内ホテルの大宴会場で毎年開催してきた「新春経済講演会」が名物となっていた。LIXILやTOTO、パナソニックなど資材・住宅設備メーカー大手の社長をパネリストに招き、平田氏自ら経済情勢と業界動向を講演するもの。有力工務店の幹部なども集結し、業界でも最大規模の会合である。

 目下、同社の株式時価総額は株価下落により約66億円(5月21日時点)に大幅縮減し、残された幹部の間では、「このままではどこかに買収されてしまうのではないか」と不安視する声が漏れ伝わる。また、新卒採用の時期であることから、幹部は「競合に採用で負けることや、人材流出が心配だ」とこぼす。

 平田氏の突然の辞任で求心力がなくなることも懸念されている。

 6月末に開催予定の株主総会に出席する予定もないという(2%強の株式を保有する大株主でもある)。このまま説明責任を果たさないつもりなのだろうか。