もう一つ、米中貿易摩擦による関税強化が影を落とす。準大手の戸田建設幹部は、「われわれは米国や中国で取引しているわけではないが、国内顧客の投資マインドが下がる」と利益への間接的な影響を指摘する。

 では、五輪後に続くラッシュで稼いだ後はどうなるのか。ここで各社の戦略による差が生まれる。

 建設工事の件数は人口に比例する。少子高齢化の日本市場だけでは先細りが確実だ。規模の成長を続けたければ、日本の建設事業以外の領域で収益の柱を確保する道筋をつけなくてはならない。

海外事業が肝
失敗を糧にできるか勝負の仕掛けどころ

 大林組、鹿島、大成は17年度と18年度に新たな中期経営計画をスタートしており、いずれも3~5年間で3000億~5000億円を投資する計画を遂行中だ。清水は今年度に新中計を発表し、23年度までの5年間で不動産開発費5000億円やR&D費1000億円などを含む合計7500億円の投資を計画している。

 清水は同時に30年度に向けた長期ビジョンも発表し、海外売上高について連結売上高の25%を占める水準を目指すという。これは18年度の5倍に当たる。

 実績が多い東南アジア地域とこれから開拓する北米を中心とした海外事業について、同社の井上和幸社長は「これまで大きな授業料を払ってきた。海外は日本政府と一緒に進めるのがいい」と語る。

 現地政府からの直接受注で工事を行うと、海外の商習慣につまずいたり、外国人労働者のマネジメントに失敗し、工期や工事代金回収の難しい交渉を強いられやすい。