コンビニエンスストア業界2位のファミリーマートは6月から、一部エリアで深夜に閉店する時短実験を始める。週刊ダイヤモンドのインタビューに応じた澤田貴司社長は、24時間営業の継続を希望する加盟店が多いとしながらも、今後時短営業の希望が増えた場合は、物流面を見直す考えを示した。『週刊ダイヤモンド』6月1日号の第1特集「コンビニ地獄」では、コンビニ業界が置かれた厳しい現状を取り上げる。(聞き手/ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
──2016年の社長就任時から、過剰出店により国内コンビニエンスストア市場は飽和していると主張してきました。
コンビニはとにかく1店出せば、周辺のシェアは取れます。ただ、実態は限られたパイの奪い合いであり、(売り上げが)増えた分だけどこかで減っているのです。
しかもわれわれは、ほとんどの店がフランチャイズ契約の加盟店であり、直営店舗のように自らのリスクで市場を取りに行くケースとは違います。加盟店に詰め腹を切らせるのはおかしい。そういうやり方は本当にやめるべきです。企業のエゴで加盟店にしわ寄せがいくような事態は、本当によく考えないといけない。
──ただファミリーマート自身も、過去の統合の経緯もあり、すでに国内2位の1万6000超の店舗展開をしており、人手不足に苦しんでいる加盟店があります。
人手不足への対策は最も優先度の高い課題です。社長就任時、ここまで深刻化するとは思っていませんでした。加盟店の採用への支援と、店舗オペレーションの簡素化の2点に力を入れます。2020年2月期は総投資額1400億円のうち85%を既存店に振り向けます。