90歳でも20歳若返る!
私は1930年(昭和5年)生まれ。
数え年で90歳になるベンチプレスの現役選手です。
これまで世界大会(70歳以上の部・47kg級)で、
4つの金メダルを獲得してきました。
最近テレビに出演することも多くなった私ですが、
日々実践している「医師も認める健康法」を、
あるがままにお伝えしていきます。

すごい90歳が見舞われた水分不足の危険

水分不足の怖さを思い知らされた
出来事に遭遇しました

 私は、水分不足の危険性を深く痛感しています。
 実は2つの“事件”があったからです。
 1つ目の事件は、日本代表選手の一員として2016年にデンマークのロドビーで行われたベンチプレスの国際試合に出場したときに起こりました。

 私は飛行機に乗っても水をたくさん飲みますから、いつでもトイレに行けるように通路側の席を予約します。
 トイレに立ったら、ついでに飛行機の通路を歩きまわり、血液がドロドロにならないように気をつけているんです。
 それまで日本代表選手の団体ツアーを仕切ってくれていた旅行会社の添乗員は、私の希望を踏まえて、行きも帰りも必ず通路側の座席を押さえてくれていました。
 ところがデンマークへの遠征では担当者が変わり、何かの手違いで私の要望が伝わらず、通路側の席が押さえられませんでした。

 私の席は4席並びの中央という、トイレに行きづらいポジション。
 しかも、お隣の席には、ひときわ体の大きな白人男性の方が座っていました。
 それでも、水分を補給しないと体調が悪くなる。
 そう思った私は水を飲み続けて、一度は「すみません、トイレに行かせてください」とお隣の外人さんに頼みました。
 彼は「ああ、もちろんいいですよ」とすぐに席を立って、私を通してくれました。
 そしてトイレから戻ってくると、なんと彼は座らずに立ったまま、私が戻ってくるのを待ってくれていたのです。

 そのときは「サンキュー!」と感謝して席に戻りましたが、毎回これをやられたら、申し訳ないという気持ちになります。
 それからは水分の摂取を控えて、トイレを我慢して、とうとう現地に着くまで一度も席を立ちませんでした。
 それが悪かったのでしょう。
飛行機が到着したときには血液がドロドロになったのか、脚が少しつっている感覚がありました。