一方、かつて同国はアジア有数の産油国であったものの、近年は産油量の減少と旺盛な内需を背景に、足下では純輸入国となり輸入超過の状況が続いている。さらに、ここ数年は海外からの資金流入が活発になってきたことで、海外への利益送金などに伴う所得収支の赤字幅も拡大傾向にある。結果として経常赤字が拡大するなど、対外収支構造を巡る脆弱性が高まっている。

 そのため、昨年のトルコ通貨リラの急落(いわゆる「トルコショック」)など国際金融市場が動揺する度に対外収支構造の脆弱性が注目され、通貨ルピア相場に対する下落圧力が強まる事態が繰り返されてきた。トルコショックの際にはルピアの対ドル相場は一時、過去最安値を更新するに至った。

 こうした事態に対して、中銀は昨年累計で1.75%もの利上げを断続的に実施したほか、昨秋にはルピア建ノンデリバラブルフォワードを導入した。年明け以降は米FRB(連邦準備制度理事会)が「ハト派」姿勢に転じたことを理由にドル高圧力が後退したことで、ルピア相場は落ち着きを取り戻している。