(2)銀杏並木と絵画館の限られた樹木だけは守られるが、その両側の歩道を境に環境が激変する。東側は商業施設の建設によって、ヒートアイランドの抑制に寄与している大切な樹林が大幅になくなる。さらに西側には野球場の建物がぎりぎりまで建設される。現在の並木の景観は並木だけで成立するものではない。周辺にあまり高い建物がなく、緑が多いから成立する景観だ。広く根を張った銀杏も建物の影響を受ける可能性がある。現在の再開発計画では並木としての価値が永遠に損なわれるのではないか。

三井不は「できれば年内に説明機会を設けたい」

(3)大きな開発では環境アセスメントが義務付けられているが、三井不動産などの事業者はその調査計画書のウェブ上での公開を認めていない。そのため国民が十分な情報を得ることを妨げられている。

(4)今回の計画では、絵画館と銀杏並木の西側一帯は都市公園から削除される可能性がある。歴史ある都市公園を地権者の一存で削除していいのか。

 加えて筆者としては、(5)ホテル棟、商業施設、複合棟A・Bは三井不動産の所有なのか。それとも別の事業者を想定しているのか。(6)ホテルはすでに周辺にいくつか建設されており、客層の競合はないのか。(7)高度技術社会推進協会の建物部分が計画地から外れたのはなぜか。(8)環境アセスメントの調査計画書をウェブ上で公開するのを許諾しなかったのは三井不動産の判断なのか、他の事業者の反対があったからなのか、といった疑問が浮かんだ。

 これらの疑問点について、計画をとりまとめた三井不動産は本編集部の取材に対し、「各地権者などと行政協議中の部分もあり、現時点でのタイミングではお答えできない。しかしながら、包み隠すようなことでもない。できれば年内、それ以降になるかもしれないが、いずれ説明する機会を設けたい」(同社広報担当者)と回答している。

 都市計画の策定から今回の施設建設の経緯について、さまざまな疑問を払しょくできるような説明が求められている。