ジョー・バイデン米前副大統領が民主党の大統領候補指名争いに名乗りを上げ、党内の候補がほぼ出そろってから1カ月以上が過ぎた。今回の指名争いは極めて異例の展開になっており、23人もの候補が立ち、そのうち6人が女性、6人がマイノリティー、最年少と最年長の年齢差が40歳だ。この間、おかしなことが起きている。バイデン氏が最初から集団のトップに立ち、今もその位置を維持しているのだ。通常なら、これは驚くに値しない。バイデン氏が党内でいかに知名度が高く、いかに深く根ざしているかを考えれば当然である。しかし現状は通常ではない。政治を取り巻く世界は、ジョー・バイデン氏を以下のような人物とみなす人々であふれていた(これらの中から好きなものを選んでいい)――年を取り過ぎている、考えが古すぎる、中道寄り過ぎる、共和党との協調に前向き過ぎる、物議を醸した過去の問題の重荷を背負い過ぎている、選挙運動で失言をする可能性が大き過ぎる。