自分の頭で考えず、人に答えを委ねてはダメ

 一つの答えを求める「デジタル脳」の方々に、私は、「このときはAでしたが、必ずしもAとは限りません。Bがダメとも言えません。AとBの中間かも知れないし、A寄りのBかもしれない。B寄りのAかもしれない。

 「そのときどきで総合的に考えて、自分自身で判断してください」と、わざと長々と答えるのですが、質問した相手にとっては消化不良なのかもしれません。きょとんとされる方が少なくないです。

 そういう人は、また別のセミナーや講演会、ワークショップなどに行ったとき、また同じことを聞いて「答え」を求めるのではないかと思います。

 つまり、「自分の頭で考えず、人に答えを委ねている」という状態を繰り返していることになります。

 そんなことでは、「自らの意志を持ち、考え、行動する筋力」が全然、身につかないでしょう。

 何かを選択するとき、相手の言うことをそのまま受け取るのか、自分でいったん咀嚼するのかで、その後の結果は大きく異なります。

 前者は人のせいにして終わりますが、後者は自分の責任のもと前進できるのです。