尿がでない状態が72時間も続いたが、そのかわり、右耳から尿の匂いのする液体が出始め、2.5㎏にも達した。ついで左耳から、そして左目、胃、左の乳房からも…。驚くのはまだ早い、へそから噴水のように尿がわき出て、いよいよ鼻から尿が出だしたというのである。まるで人間水芸やないですか!

 現代の医学をもってしても、まったく解釈は不能である。しかし、いくらなんでもこんな荒唐無稽な話をでっちあげて医学雑誌に投稿するとは思えない。いったい何がおこったんだろう。やっぱりひょっとしたら水芸使いだったのか。

肛門に押し込まれ、
後に引っ張り出されたフォーク

 第二章『本当にあった謎の「病気」』で紹介されている『爆発する歯』も理解不能なのだが、こちらは一例ではなくていくつもの症例があるという。第三章『こんな治療はお断り!』、第四章『痛さ極限、恐ろしい手術』、第五章『想像を絶する奇跡の生還』、第六章『信頼できない話』、第七章『日常に潜む「隠れた危険」』と続く全61話。どれもが相当におもろすぎて、どれをとりあげたらいいかがわからない。紹介してるうちに失神してしまいそうだ。

 気を取り直して、第一章で紹介されている論文のタイトルを並べてみると、

“・肛門に押し込まれ、後に引っ張り出されたフォーク
・数々の折りたたみナイフを呑んだ後、十年生き延びた男-死後の身体の記述付き
・留め金をつけられた性器、包皮に硬性癌を発症する
・燭台に締め付けられたペニス
・バロー医師が気管切開により子どもの喉から取り除いたガチョウの喉について”

 これでようやく半分だ。書きながら、おもろすぎる!と思う人と、絶対こんな本は読めない!と思う人に人類は二分されるような気がしてきた。

 せっかくレビューしてるのに、読みたくない気分にさせてはいけないので、ちょっとかわいいのも紹介しておこう。それは、<小児性子癇痙攣発作の風変わりな治療法>と題された論文での『「鳩の尻」療法』。「小児性子癇痙攣発作」、聞いたことのない病気である。それもそのはず、十九世紀まではあるとされていたが、現在の医学にそのような用語はない。まぁ、そのことはおいておこう。