髪には手入れが行き届き、ジョークは鳴りを潜めた。アレクサンダー・ボリス・デ・フェフェル・ジョンソン氏(54)は英国の首相の座に再挑戦する覚悟を固めている。テリーザ・メイ首相は英国の欧州連合(EU)離脱を実現できず、7日に保守党の党首を辞任。次期首相の選出へ向けたレースが正式に始まった。保守党議員らは向こう数週間で、投票によって候補者を2人に絞り込む。その後、保守党員が決選投票を実施し、7月末までに当選者が発表される。10月31日の英EU離脱(ブレグジット)期限へ向け、新首相に与えられる時間はわずか数カ月だ。前外相のジョンソン氏は、ワイルドな髪型で自らの失敗すらテコにするブレグジット推進派というイメージを築いた。2016年に首相を目指したものの失敗。今回は一段と政治家にふさわしい体裁を打ち出そうと務めている。保守党から出馬している11人のライバル候補を退け、予測不能で無秩序との自身の評判にも挑む構えだ。