中国の輸出マシンを標的にしたドナルド・トランプ米大統領は、どうやら中国の輸入に打撃を与えたようだ。中国の成長が一段と減速するか、人民元が大きな節目の1ドル=7元を割り込むか、あるいはその両方が起こる確率が高まっている。10日発表された中国の5月の貿易統計は、ホワイトハウスが5月10日に中国製品に対して新たに発動した関税引き上げを受け、貿易が持ちこたえているかを知る最初の手掛かりとなる。輸出は前年同月比1.1%増と、4月の2.7%減から持ち直したものの、恐らくその一部は、関税引き上げを前にした5月上旬の駆け込み需要を反映している。一段と気掛かりなのは、輸入が2016年半ば以来の大幅な落ち込みとなったことだ。5月の輸入は前年同月比8.5%減となった。4月は4.0%増だった。これまでにも、内需が予想以上に弱まっている兆候が見られる。中国購買担当者指数(PMI)によると、5月の新規受注は大幅に低下。鉄鋼価格も低迷している。