――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  完全雇用と物価安定の他に、米連邦準備制度理事会(FRB)にはあまり知られていない別の責務がある。経済において「大人の存在」であれということだ。米国内外の予測不可能な動きによって情勢が激しく変化する現在のような状況ではとりわけそうだ。  来週およびその後の連邦公開市場委員会(FOMC)におけるジェローム・パウエル議長の仕事は、利下げの是非を決めるだけなく、その決定が考え抜かれた妥当なもので、政治とは無関係だと受け止められるようにすることだ。これは現段階でも非常に難しい。