なお、この記事の企画を通した際に編集部から「PR記事っぽくならないようにお願いします」との注意があった。PR記事とは記事の体をした広告で、普通どこかに「PR」と表示される。しかし、穢(けが)れなき世界で生きている筆者は知らなかったのだが、中には企業から秘密でお金をもらってその企業に有利な内容の“隠れPR記事”を書くダークなライターもいるらしく、これを掲載してしまうと大変な問題になってしまうらしい。

 編集部はこうしたことに関して敏感にならざるを得ず、どこかから「これ隠れPR記事なんじゃ?」と疑惑の目を向けられること自体を恐れている。なので、編集部に迷惑をかけるのが本望ではない筆者から改めて宣言しておくが、これはPR記事でも隠れPR記事でもない。本当である。しかしアデランス(クライアント)には仕事を振ってもらった恩義があるので、その恩が文章の端々に漏れ出ることはあるかもしれず、もし賢明な読者諸氏がそれを感じる箇所を目撃したら「フリーランスって大変なんだな」と思っていただければ幸いである。

巨大な市場が眠っている?
“メタモルフォーゼ市場”とは何か

 さて、前置きが長くなったが、このセミナーについての概要である。

 セミナーではまず、インターネットのアンケート調査で得られたデータをもとに、「“メタモルフォーゼ市場”の見込み規模が2兆9000億円になる」というプレゼンテーションが行われた。現在の薄毛対策市場が約6000億円、2016年の国内の化粧品市場が約2兆5000億円、2017年度のアニメ産業が約2兆1500億円であるから、もしメタモルフォーゼ市場が見込み通りとなるならこれらを軽く上回る数字となる。

「取らぬ狸の皮算用だ」「まさかそんながうまくいくはずがない」と思われる向きもあろうし、アイキャッチの強い刺激的な数字をドンと出しておきたい主催側の思惑も見て取れるが、確かにアンケート結果を用いたデータによればこの数字になるのであるから、“メタモルフォーゼ市場”なる、現在はそうと認識されていない潜在的な需要が眠っている可能性は否定できない。

 なお、メタモルフォーゼとはドイツ語で「変身」などの意味を表わす語であるが、日本語で「変身」というと「変装」や「別人になる」といった意味まで含まれてしまうため、「外見や見た目を変えることで気持ちを切り替えたり気分をあげること」を指して便宜的に「メタモルフォーゼ」の語を用いることにしているそうである。

 アンケートでは「普段とは違う自分に“変身”したいと思ったこと(思うこと)がありますか」という質問に対し、20~60代の男性のうち75.9%がYESと回答したそうである。4人に3人以上がこう考えて生活していると思うとなかなか興味深い数字である。