人口増加は特殊な事象だった

 昭和・平成時代には常識だったとしても、令和の時代に必要のないものは、あげるときりがない。見方を変えると、こんなやり方がまかり通っていたのは、経済発展のフェーズ、いわば特別な「ボーナス期」だったからであり、無駄や試行錯誤が許されていたからともいえる。いまよりヒトもカネもモノも少なく、経済の伸びしろが大きかった時代。バブル期がその象徴ともいえ、特殊なボーナス期を成功体験と混同し、引きずってしまったのが平成時代だろう。

 しかし、バブル以降のデフレスパイラル、少子高齢化による内需減少とマイナス成長、ネットの社会インフラ化など、周辺状況や社会の前提条件が変わった。国内市場の大きな成長が望めない現状では、製品やサービスの輸出、インバウンド消費に期待するしかない。これは、グローバル市場において新興国がライバルになることを意味する。

企業や組織に所属はしても、依存しない

 今の経営者は、事業を次世代にしっかりバトンタッチするのを念頭に、雇われる側は、周囲の変化を待つのではなく、マインドチェンジが重要となる。これまでのように受け身でいても国や企業は助けてくれない。

 先の金融庁の「足りない分は自助を」という発表は、この点だけは間違ってはいない。とくに20代から40代には、まだ時間がある。NISAや確定拠出型年金もいいが、運用するほど資産がないのに儲けようとしてもやけどをするだけだ。それより、企業や組織に所属はしても、依存しない生き方、技能や役割を見つけることだろう。

 独立や副業は今後さらに重要な意味を持ってくる。上司や先輩社員が苦言を呈するかもしれないが、彼らは現役時代、ゴルフができて宴会で裸になれるかで出世できたバブル期の人間ではないだろうか。これからを生きる世代は先輩世代に臆する必要はない。必要なのは自律する覚悟だ。