ソニーがゲーム機のプレイステーションを開発しようとしたときと、パソコンの「VAIO」を開発しようとしたときに、仮にSWOT分析をしたとしたら両者は同じだろうか。

 プレステのときの「機会」はゲーム・ビギナー層が未開拓であったことで、「脅威」は任天堂の存在であった。一方VAIOのときは、「機会」はパソコン市場の伸びが挙げられるが、「脅威」としては当時市場でNEC、富士通などが高いシェアを持っていた。このように、プレステのときとVAIOのときのSWOT分析は、まるで違うのである。

 SWOT分析は、日本企業の現実を踏まえれば、戦略を論理的に導き出したように見せる方法論としては最適である。プレゼンを受ける上長も、(以前自分もSWOT分析をやった経験があるので)上手く騙されることを前提に、プレゼンを聞いているのかもしれない。

 いくら優れた戦略であっても、突然それだけを出されると、上長としては「いいね!」とは言いにくい。SWOT分析という儀式を経ることが、承認を下すにも必要なのである。

 さらにSWOT分析を掛け合わせた、「クロスSWOT分析」(SWOTダイヤグラム)という方法論もある。S×O、S×T、W×O、W×Tの4つの掛け算をして戦略を導くのであるが、この方法で戦略が構築できるのであれば、経営企画部もコンサルタントも要らなくなってしまうだろう。にもかかわらず、「クロスSWOT分析」は、研修の場では重用されている。

IPOすべきか事業売却すべきかを
PROS/CONS分析で意思決定できるか

(2)PROS/CONS分析

 投資案が複数あったり、企業が選択すべき道が複数あったりするとき、しばしば使われるのが「PROS/CONS分析」(古い企業では、メリット・デメリット分析と呼んでいる)である。「pro=賛成」「contra = 反対」というラテン語を語源としている。