営業利益見通しの減少分1836億円の内訳をより詳細に見ていこう(図2)。今期の新料金プランの影響は、通信料金値下げで2900億円のマイナスになる一方で、端末購入補助の縮小で900億円がプラスに働き、合わせて2000億円のマイナスになる。

 この他、端末分離プランの導入でスマホ販売に関わる利益も減少する。具体的には、端末代金の上昇で高価格帯の機種を中心に出荷台数の減少を見込むほか、携帯販売店への卸売価格の引き下げ圧力も働くことで、ドコモの粗利が圧縮される。

 新料金プランと併せて、端末の支払いを最大で3割免除する「スマホおかえしプログラム」という割引販売を導入したので、これも若干のマイナス要因だ。これら分離プラン導入による端末販売関連の減益は計800億円に上る。

 今年9月から試験サービスが始まる5G(第5世代移動通信規格)では設備投資費用の負担が重くなるだけではなく、5Gの映像コンテンツや周辺機器の整備などサービス開始に関わる費用が先行する。こうした5Gなど新しい領域に向けた今期の成長投資額は7000億円で、前年度比550億円を積み上げる。

 プラス要因となるのはコスト削減の1300億円。一見、厳しい経営努力の結集に見えるかもしれないが、実は、このうちの860億円ほどは、携帯ショップが端末値引きに使う奨励金など代理店手数料の削減だ。

 つまり、これまで携帯値引きの原資に使っていた携帯代理店への補助がなくなることで浮く費用にすぎない。実質的に増益が期待できるのは、携帯サービス以外の「非通信」領域で127億円の増益を見込む程度になる。

 当面、新料金プランによる値下げが浸透する一方、5Gの通信事業や関連事業が収益を生むのは先になりそうで、厳しい経営環境が続く。