総務省が11日、携帯電話料金を2年契約の途中で解約する「違約金」を現行9500円から1000円以下に引き下げる案を示し、携帯業界は激震に見舞われた。総務省は今秋の導入に向けて急激なルール改正を進めようとしているが、その強硬な姿勢に大手3社の不満はピークに達してきた。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
「縛り」なくなり乗り換えられ放題
「1000円とは安すぎる」――。総務省が6月11日、携帯電話料金に関する有識者会議に、携帯電話料金の引き下げのルール案として「違約金1000円以下」を提示し、携帯大手に激震が走った。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの通信大手3社は、2年間の契約が事実上の標準プランで、この期間に解約した場合は、違約金として9500円を課すことで、ユーザーの安定を保ってきた。
この「2年縛り・違約金9500円」という契約の枠組みは、2008年に番号持ち運び制度(MNP)が導入された頃から定着して今に続いてきたが、18年8月に菅義偉官房長官が「携帯料金は4割下げる余地がある」と発言したことをきっかけとして急速に見直しの機運が高まった。
通信大手としても見直しは覚悟していたが、それも一気に1000円まで下がるとなれば、ユーザーを繋ぎとめる効果はほとんどなくなる。