イランは17日、2015年の核合意で定められた濃縮ウランの貯蔵量が、6月末までに上限を突破するとの見通しを示した。問題は、欧州がこれを甘んじて受け入れるかどうかだ。上限の突破は核合意への違反行為となる。このため欧州の首脳らは、次の選択を迫られる。イランの行動を黙認するのか、失敗作だった核合意の再交渉でイランに圧力をかける米国に同調するのかだ。  2018年に米国が核合意から離脱した後も、欧州はその残存物にしがみついてきた。欧州の首脳らは、核合意の抜け穴をふさぐための再交渉にイランを引きずり出そうとする米国の努力に同調することを拒否してきた。