フェイスブックは自社プラットフォームでの個人情報保護を約束してユーザーを誘惑し、新たな広告キャンペーンでつなぎとめを図ってきた。今度は、ユーザーのお金を自社に託してほしいと考えている。同社は18日、待望の仮想通貨(暗号資産)「Libra(リブラ)」の詳細を発表した。多くのアナリストはリブラ立ち上げがフェイスブックだけでなく金融業界の形勢をも変え得るとみている。だがリブラの成功は、まだ証明されていないコンセプトが広く受け入れられるか否かにかかっている。また、傷ついたブランドに対するユーザーの信頼を回復することが前提だ。ウォール街のアナリストらは熱狂していた。バークレイズのアナリスト、ロス・サンドラー氏の3月の試算によると、仮想通貨は2021年までにフェイスブックに190億ドル(約2兆0618億円)の収入をもたらし得る。18日にはRBCのマーク・マハニー氏がリブラについて、「フェイスブックと世界の仮想通貨導入の分水嶺(れい)になるかもしれない」と述べた。マハニー氏をはじめとするアナリストは、もっぱら広告収入に頼っていた同社をリブラが強化し、成長をけん引すると考えている。