あちらこちらに眠っている
“ハイスキル主婦”を掘り起こす

 一方、“主婦”に特化した就業サービスを展開するのがビースタイルだ。三原邦彦会長が2002年にスタートさせた。

「当時、新卒入社からしばらくは男性と遜色ないキャリアなのに、結婚・出産を機に退職して主婦になった後は、近所のスーパーのレジ打ちなど婚前のキャリアを生かせない仕事にしか就けない女性が多かった。社会の隠れたところに“眠っている”優秀な主婦の労働力を生かしたいという思いで始めた」(三原氏)

 当初、登録した主婦は社会人経験12年以上で、営業やデスクワークで実績を持つ人材ばかり。子育てと両立するために「時短勤務」しかできないが、企業側は優秀な人材を比較的低コストで確保できる。

 主婦にとっても従来のレジ打ちなどより給与は高く、自分のスキルを生かせる仕事だからやりがいがある。企業と主婦双方の思惑が一致した“主婦の時短派遣ビジネス”は当たり、ビースタイルの利用者と業績は右肩上がりで上昇していった。

 2012年には人事や法務、広報、経営企画、マーケティング、エンジニアなどの分野で、豊富な経験と自ら仕事を動かせる高い能力を持つ人向けの時短派遣・紹介サービス「スマートキャリア」も開始した。前職での年収が500万円以上の登録者が6割。そんな“ハイスキル主婦”に、より高時給で働けるチャンスを提供した。この事業は毎年160~200%と驚異の伸びを示し、ビースタイルの事業の中でも稼ぎ頭に成長した。

ビースタイルの派遣サービスには、家事や育児と両立しながら時短派遣でオフィスワークをする女性が数多く登録。登録者は全体で約40万人に上る

 2017年からは、より手軽に働ける事業もスタート。それが、自宅周辺で日常のすき間時間を利用して働きたい主婦向けの業務委託サービス「しゅふJOB ご近所ワーク」だ。

 長い移動時間と交通費がない分、簡単な仕事でも比較的高い時給を設定できることが優位点だ。最近トレンドのカーシェアや民泊で需要が高まっている使用後の清掃なども仕事のひとつ。こうして、ビースタイルは企業が労働力として目を向けていなかった「主婦」にスポットを当て、時短という新しい仕組みで活用することで人材不足を補い、同時に主婦それぞれの人生に希望の光を与えているのだ。