各種会議や研修が、ホンネで、みんなが納得するまで、ああでもないこうでもないと話し合う場として機能するように、さまざまな努力を続けます。

 このような仕事の進め方を「MBO-Sのオープン展開」と呼びます。
オープン展開は個人目標のPlan(計画)→Do(実行)→See(ふりかえり)の質を高めます。
  別の言い方をすれば、チームワークによって、個人の総和以上の組織パワーが創り出されるということです。

 オープン展開で達成手段のバリエーションと質が向上し、目標達成の成果が出はじめると、働く人々は考える面白さや達成感を味わいます。
責任感や納得感もつちかわれます。
  さらには、働く仲間ともっともっと協力して、職場目標を達成しようという意欲も高まります。

 いずれも、内発的動機づけによる意欲的、かつ自律的な行動、すなわち「セルフ・コントロール」の出現であり、その状態を、『黒字浮上!最終指令』の著者は、「人が燃え、組織が動く」と表現しています。

2.「同時並行多面作戦」がセルフ・コントロールを促進する

 このように、MBO-Sのオープン展開により、「人が燃え、組織が動く」という状態が出現しても、油断は禁物です。

 人間は複雑な生き物であり、四六時中、仕事のことばかり考えたり、仕事がらみの話をするだけでは疲れがたまり、セルフ・コントロールのパワーも陰りを見せます。

 仕事の合間には、遊び心を楽しんだり、憩いの時間を持つことも必要です。
また、仕事の持ち場を離れて、仕事に必要な知識を充電するという、勉強の場も大切です。
  そのようなリフレッシュや勉強があるから、再び修羅場に突入する気力も湧いてくるのだと思います。