
東大や京大といった国立最難関大学で、就職先に中央省庁を選ぶ学生が減り続けている。その一方で、地方国立大や私立大が、霞が関への人材供給源として急激に存在感を高めている。特集『公務員の危機』の#11では、卒業大学別の国家公務員春試験合格者数のデータを一挙公開し、大学の“序列激変”ぶりを明かすとともに、東大生激減で多様化が進む官庁の内情に迫る。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
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東大・京大・一橋による“霞が関”の独占は瓦解
下克上を起こしている地方・私立大とは?
かつて東京大学や京都大学、一橋大学といった国立最難関校では、卒業後に中央省庁に就職するのは“王道”の一つだった。しかし近年、これらのトップ校の学生の間で、コンサルなど他業界の人気が高まっており、官公庁の魅力は低下している。
50代の東大出身官僚は、こう語って嘆息する。
「入省同期の半分以上は東大で、残りも京大や一橋など国立出身者ばかりだった。2000年前後から早慶など私立出身者が徐々に増え、国立は減っていった。今では、東大出身者は新人職員の1割くらいしかいないのではないか」
実は、この職員の実感を裏付けるデータがある。次ページで詳述するように、東大や京大の出身者は明らかに激減している。
合格者の出身大学の変化は、東大の凋落だけではない。今年5月下旬に公開された最新のデータによると、合格者数で早稲田大に匹敵する「二つの地方国立大」が現れたのだ。私立大でも「慶應超え」を果たした大学があり、国家公務員養成校の中で下克上が起こりつつある。
次ページでは、卒業大学別の国家公務員春試験合格者数のデータを一挙公開し、大学の“序列激変”ぶりを明かすとともに、東大生激減で多様化が進む官庁の内情に迫る。