このように、シャープの技術開発力、サービス企画力、高付加価値デバイス開発力と、鴻海の持つ生産能力という、相互補完の関係にある強みの「すり合わせ」を行うことが、鴻海傘下のシャープを「再建」から、さらなる「成功」へと向かわせるために必要な戦略であると、中田氏は指摘する。

 現状、戴社長は、鴻海の国際的な垂直統合体制を活用し、日本国内ではシャープが有機ELやIoTデバイスの開発に集中、テレビや白物家電の生産は海外にある鴻海の工場で行う方向で、シャープの再建を進めている。

 こうした強みの「組み合わせ」を「すり合わせ」に発展させ、シャープと鴻海のどちらにもなかった斬新な商品や新しい価値を「共創」することが、これからの競争力の源泉となりそうだ。

 この「すり合わせ」と「共創」の原理、そしてそれをドライブする鴻海流「日本型リーダーシップ」を、ぜひ本書から学んでみてほしい。

(文/情報工場シニアエディター 浅羽登志也)

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