「凡戦」だった党首討論
年金を「政争の具」にする無駄
19日の党首討論は、約1年ぶりのものだったが、「世紀の凡戦」だった。
「老後2000万円不足」問題を、「年金制度の欠陥」として、参院選の争点にしようとしている野党側は、議論をこの問題に集中させた。
批判だけでなく「対案」も出してはいたが、年金制度の設計は数式を必要とする専門分野だ。ハッキリ言って、具体的な年金額の話などは、政治家の手に負えるものではない。
だから、世界の先進国を見ても、年金制度の大改正は与野党を超えた超党派による専門的な組織で行うものなのだ。たとえ政権交代しても、そのたびに年金制度を変えることなど不可能なのだから、争うだけ時間のムダだ。
党首討論の場である衆参両院の国家基本政策委員会は、個別政策ではなく国の基本政策について討論する委員会だ。しかもいまの日本では、議論すべき大事な問題がある。