大人の発達障害にまつわる誤解、「ひょっとして自分も?」と不安続出写真はイメージです Photo:PIXTA

ここ数年、メディアでもよく取り上げられるようになった「大人の発達障害」や「うつ病」。しかし、これらの病気に関する偏ったイメージや誤解がまかり通ってしまい、「自分もそうなのでは?」と専門医の診察を受ける人が増えているのが現状です。そこで今回は、『最新医学からの検証 うつと発達障害』(青春出版社)から、病気の疑いがある方、ご家族、あるいは職場で当事者と関わりのある方などに向けて、発達障害やうつ病の正しい知識をわかりやすく解説します。

「大人の発達障害」は何歳ぐらいに発症するのか

 まず、「大人の発達障害」という言葉は、多くの誤解を生んでいます。第一に、発達障害は生まれつきのものであり、大人になってから発達障害になるわけではありません。ケアレスミスが多い、忘れ物が多いなど、何らかの症状はあっても、それが大きなトラブルに発展しない限りは、放置されることがほとんどでしょう。

 また、発達障害の症状そのものは、進行性のものではありません。長年にわたり、同じ状態が安定的に続くのが、発達障害の特徴です。しかし、子供の頃は目立たなかった症状が、大人になって就労し、ストレスの強い状態で「顕在化」することがみられます。