でも、岩塩は、粒状という形状ゆえに、不用意に過剰な塩分をとってしまう危険があるのです。

 なぜなら、粒状だと、そのうち幾分かは、塩味を感じる前に、口のなかを素通りして体内に入ってしまっていると考えられるからです。

 たとえば、ステーキをひと切れ取って、岩塩をつけたとしましょう。粒が大きいので、サラサラの塩をつける以上の分量がベタッとくっついてしまいます。それでも、あまり「しょっぱいな」「つけすぎたな」とは感じません。

 つまり、ベタッとくっついた岩塩の一部は、味覚でとらえられないまま、丸呑みされているということです。

「塩をなめてから、料理を食べる」と
ムリなく減塩できる

 じつは、似たようなことが、しょっぱいおかず全般でも起こっています。

 たとえば、塩辛やタラコをおかずにご飯を食べるとき、みなさんは、どうしていますか。ある程度、まとまった量をご飯に乗せて、ご飯ごとかきこんでいる人は多いのではないでしょうか。

 でも、ご飯に乗せた塩辛やタラコを、すべてしっかり味わっているかといえば、そうではないでしょう。

 先ほどの岩塩と同じく、そのうち幾分かは、塩味を感じる前に、口のなかを素通りして体内に入っているはずです。

 こうした無自覚な塩分摂取を避けるには、先に塩味をしっかり感じられるように食べることです。

 お店で小皿に入った岩塩が提供されたら、その塩を直に料理につけるのではなく、まず小皿から岩塩をひと粒とって、口に入れる。そして塩味が感じられたら、料理を、何もつけずに口に運びます。

 タラコや塩辛など、しょっぱいおかずも同様です。ご飯に直に乗せるのではなく、まず少量を口に含み、味わってからご飯を口に入れます。

 この食べ方なら、1切れの塩辛、箸先少しのタラコでも、十分、ご飯のお供になります。