コンビニのお菓子売り場を見ると、最近、アメやガムよりも棚を占めているのがグミだ。その種類は様々だが、最近目立つのがサプリメントのような機能性を兼ね備えた多機能グミ。コラーゲンやビタミンC入りはもはや常識、亜鉛や鉄分、なかにはウコン配合で二日酔い対策ができるものまで、バラエティに富んでいる。そんな最新の多機能グミについて、食文化研究家のスギアカツキ氏に話してもらった。(清談社 ますだポム子)

日本人の健康への意識にハマる
サプリメント系グミ

サプリのような機能性を備えたグミが続々登場しています子供向けからスタートしたグミは、今やサプリとしても認知されるように。水分が多いため、アメやガムよりもアレンジが簡単なのだという Photo:PIXTA

 多機能なグミの歴史を紐解く前に、簡単にグミ市場の成長を説明しよう。

 日本でグミの人気に火をつけたのが、1988年発売の「果汁グミ」(明治)だ。子供向けの「果汁グミ」が人気になると、その後、2000年頭には大人の女性をターゲットにした果汁系や酸っぱい系が登場しトレンドに。追いかけるように食感にこだわるグミが増え、ハード系や新食感の市場が成長した。

「サプリメント的な機能を持ったグミが登場してきたのは、2015年頃からですね。それまで栄養補助食品はといえば、ビタミンCやコラーゲンなどはドリンク。鉄分やカルシウムなどは『カロリーメイト』や『ソイジョイ』に代表されるようなスティックタイプのスナックが主流でした。こうしたサプリ的な市場の獲得を狙って、各菓子メーカーがコラーゲンや乳酸菌の入ったグミを売り出し始めたのです」(スギ氏、以下同)

 簡単に栄養を補給できるサプリメントは、意外に購入できる場所が限られている場合が多かった。しかし、グミであれば、コンビニのお菓子の棚に置いてもらえる。サプリよりも手軽に栄養が補給できるアイテムとして人気を博していった。

「しかも、日本人は健康への意識が高いこともあり、健康に良いアイテムが好まれる傾向があります。サプリ的なグミは、日本だからこそ流行るんでしょう。海外では、特定の栄養素が入っているグミは見かけませんから」