7月3日、4日と公開してきたスルガ銀行2トップインタビューでは、シェアハウス問題を引き起こした背景や、創業家問題という2つの難問について話を聞いた。最後となる第3回では、新経営体制に移行して初めて策定する中期経営計画のポイントに加え、新たに副社長に就任した嵯峨行介氏の人物像について聞いていく。(ダイヤモンド編集部 中村正毅、藤田章夫)
新生銀行とスルガの提携には
2つのポイントがある
――5月15日に、新生銀行との業務提携を発表しました。
有國三知男社長(以下、有國) 詳細を詰めるのはこれからですが、ポイントは大きく2つあります。
1つは、新生銀行さんのリテールの取り組みは弊社と親和性が高いことです。自社にコンシューマーファイナンスを持っているのは弊社ぐらいですが、新生銀行さんは、グループ内にコンシューマーファイナンスを抱えていますので、シナジー効果があると考えています。
2つ目は、新生銀行さんの法人向けのソリューションに対する期待です。弊社はリテールを軸に据えているため一般的な地方銀行とは業態が異なりますが、そうはいっても地元には120年以上お付き合いのある企業があります。その企業に対して、新生銀行さんがお持ちの事業承継のノウハウやデリバティブ商品など、法人向けソリューションを提供できればと考えています。
また、住宅ローン分野での私どものノウハウを生かすことで、新生銀行さんの審査基準にはまらないお客さまを、弊社でやらせていただけないか、ということも考えています。