「二段階認証?」と聞き返した
7Pay運営会社トップ

記者会見で頭を下げる7Payの小林強社長記者会見で頭を下げる7Payの小林強社長(中央)。Photo by S.O.

 こうした7payのセキュリティについて、当然記者会見で注目が集まった。ところが、「どうして二段階認証を採用しなかったのか」という報道陣の質問に対して、7Payの小林強社長が「二段階認証?」と聞き返し、さらには「二段階云々」と発言。運営会社トップがキャッシュレス決済の安全の基本を知らないという”ITオンチ”ぶりを露呈する事態となった。同様に不正利用があったソフトバンクとヤフーが展開する「PayPay」が、二段階認証を採用していても不正を防げなかった先行事例の教訓を学んでいないように見える。

 さらに、同席したセブン&アイ・HD執行役員の清水健・デジタル戦略部シニアオフィサーは、不正利用について謝罪したものの、「(サービス開始前に)セキュリティー審査をしたが、脆弱性は確認されなかった」と繰り返すなど、当事者意識がまるで感じられない姿勢を見せた。

 そもそもリアルのコンビニ店舗では“業界最強”を誇るセブンだが、インターネット戦略では迷走を繰り返してきた経緯がある。

 2015年にスタートしたインターネットショッピングサイト「オムニセブン」は、アマゾンや楽天などすでにECの巨人が市場に浸透した後の進出となり、品揃えの不十分さもあって拡大しなかった。

 そこで戦略を切り替え、コンビニ店舗で使えるスマートフォンアプリ「セブンアプリ」を18年6月にリリース。利用者に割引クーポンを送るなどのメリットを付与し、ダウンロード数は1000万を超えた。

 だが、同年に小売店の店頭を席巻したのは、前出のPayPayや、LINEの「LINE Pay」などIT大手のキャッシュレス決済サービスだった。業界2位のファミリーマートやローソンは、いち早くこれらのサービスを店頭で使える態勢を整えた。

 だがセブンは、これらの利用開始がようやく今月と出遅れたうえに、ようやく独自開発の7Payのスタートにこぎつけたが、いきなり大きくつまずいたわけだ。