• 再度の休戦も、楽観はできず• 再度の休戦も、楽観はできず米中の関係は時に親密さを装い、時にしっぺ返しをしながら混乱を続け、そのたびに景況感や市場を激しく揺さぶり続ける可能性がある。それゆえ、中国市場を専門とする投資家は対立の長期化に身構え、対立にかかわらず、あるいは対立のおかげで成長できるような企業を探している。昨年12月のトランプ大統領と習近平国家主席の休戦合意に支えられ、MSCI中国指数は、年初から5月10日に貿易協議が決裂するまで14%上昇した。非難の論調が厳しさを増し、また米政府が重要な半導体やその他の部品、技術について、中国の最大手企業の一つであるファーウェイ(華為技術)との取引を制限したことで、同指数は年初の上昇分のほとんどを失い6月6日に底値を付けた。現在は、再度の休戦により投資家のマインドも改善し、MSCI中国指数は5月10日の水準近くまで回復した。大阪で開催された20カ国・地域(G20)首脳会議で、トランプ大統領はファーウェイに米国製品を売却することおよびさらなる関税発動を延期することに同意し、米中両国は交渉再開に合意した。G20後、MSCI中国指数は2%上昇した。しかし、貿易協議の合意が見えているわけではない。また、この対立は関税にとどまらず、むしろ世界の二大経済大国の間の長期的な対立となり、数十年もの長きにわたりビジネスとサプライチェーンを支えてきた世界秩序を変容させる恐れがある。
【バロンズ】中国株の投資戦略、運用専門家に聞く
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