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 言われてみれば各診療科をバラバラに受診しても分からない病気・症状は多そうだ。苦痛は確かに感じているのに、検査をしても異常なし。どうしたらいいか分からず、途方に暮れている人は少なからずいるのではないだろうか。

「良性」なのに治らないめまい
薬が効く、新たな疾患の可能性も

 筆者のもとに、時折相談が寄せられる症状に「めまい」がある。

 ある朝突然、回転性の激しいめまいに襲われ、慌てて病院を受診したものの、病名と原因と予防法を簡単に告げられただけで帰され、どうしていいか分からないというビジネスマンは少なからずいる。

◎ケース3

生坂:「めまい」で受診される方も多いですよ。医者にかかって「良性発作性頭位めまい症」と診断されたけど、ぜんぜんよくならないと。

――どういう病気ですか。

生坂:頭を動かしたときに起きるめまいで、「良性」という名前の通り、生命にかかわるような深刻なものではありません。「めまい」で医療機関を受診する患者さんの4割はこの病気だといわれています。

 耳の奥の重力を感知する場所にある、小さな砂粒のようなカルシウム結晶「耳石」が、外傷など何らかの理由で剥がれ落ち、それが平衡感覚を司る「三半規管」に入り込んで動くことでめまいが起きます。

 原因はよく分かっていませんが、加齢現象によって耳石が大きく、もろくなって剥がれる場合と、激しい運動によって剥がれ落ちる場合と両方考えられています。以前、女性サッカー選手でもこのめまいで入院した人がいましたが、彼女の場合はヘディング等の衝撃で、耳石が剥がれ落ちたものと思われます。

 このめまいは長時間続くことはなく、多くは1分以内、長くても数分で完全に収まるといわれていますが、まったく収まらない人もいます。