すると部長は「それはいい手法ですね。早速ですがこのエリアで定期研修をお願いしたいのですが、概算の金額を教えてください」と質問してきた。

 概算で金額をお伝えすると「その金額でしたら私の決済範囲です。日程を決めましょう」と言い出した。

『営業の働き方大全』(大和書房)
『営業の働き方大全』(大和書房)、菊原智明著、256ページ

 タブレットを使い、各営業所の予定を確認。全ての予定がひと目でチェックできるようになっている。私の予定とすり合わせ、その場で日程と時間まで決めた。

 今までさまざまな決断の速い方とお会いしていた。しかし、これほどまでの方はいなかった。他社が苦戦する中、好成績をキープしている理由を垣間見た気がした。

 このような会社と逆のケースもある。すべての権限を持っている経営者でも「一度持ち帰って社員と相談してみます」と、その場では決めない。その後、なかなか連絡はこない。

 それからずいぶんと時間が経ってから、「やっぱり来季にします」となるケースが多い。

 もし、やると決まっても日程が埋まっており、うまく調整できない。実行が3ヵ月後、半年後と先送りになる。「慎重さは必要ない」とまでは言わない。しかし、その「先送り」が命取りになることだってあるのだ。

 これまで《大きな会社は稟議が下りるまで時間がかかる》と思っていた。実際、そうだったと思う。

 しかし、既にすごいスピード感を持っている場合も多くなってきている。そうでないと、ついていけないのだろう。

 いつの間にか世間のレスポンスが早くなった。

 令和の時代はスローレスポンスの人は生き残れない。「強い者が生き残るのではなく、変化する者が生き残る」ということを忘れないでほしい。