リーマンショック前年の2007年も株価は夏場に上昇し、10月には高値を付けた Photo: AP/AFLO

 米国経済の景気がピークアウトしつつあることを示唆する経済指標が出始めているにもかかわらず、7月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが行われるという金融緩和期待で米国株価は高値を更新した。

 株価の変化は景気の変化を先取りすることもあるが、逆に遅行することもある。その例として、リーマンショック前の2007年の展開を想起しておくべきだろう。

 その年の夏、すでに住宅ローンの証券化債券などに投資していたパリバ銀行系のヘッジファンドが行き詰まり、「サブプライム危機」の言葉がすでに市場ではキーワードになっていた。ところが、米連邦準備理事会(FRB)による8月の0.5%の政策金利引き下げを好感して、株価は上昇し、高値を付けたのは10月だった。その後、翌2008年のリーマンショックに至る展開はご承知の通りである。

 筆者は昨年1月に米系メディアのコラムで、「米国の次の景気後退が始まるのは2020年前後1年」と予想したが、その基本認識は今も変わっていない。ただし、2019年中の景気後退の可能性は遠のき、2020年中の可能性が一層高くなったと考えている。景気後退に伴って株価も大幅な下落に転じるだろう。そう考える理由と覚悟すべき下げ幅について説明しよう。