「魔法の杖」がない中で米Fed始めた「根源的議論」の行く末
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 米国の中央銀行である連邦準備制度(Fed)が、金融政策の枠組みを見直す可能性を巡って、大掛かりな議論を始めている。

 6月初めにはシカゴ連銀で、学者などの外部有識者を集めて、2日間にわたるカンファレンスが開催された。

 「枠組み」というのは、政策の「責務」を遂行するための戦略、手段、情報発信のことである。それが今、議論されている背景には、主要国の中央銀行に共通する問題意識がある。

 低金利が常態化し、世界的に物価が上がりにくくなる中で、今後もその責務を十分果たしていけるのか、との「危機感」だ。

日欧の2%インフレ目標達成は遠く
「次の景気後退」に危機感

 欧州や日本の例を見れば、低インフレがいったん長く定着すると、ゼロ金利やマイナス金利をいくら続けても、2%インフレ目標の実現は難しくなる。

 Fedは、米国がそうした事態に陥るのを、是が非でも未然に防ぎたいと考えている。