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半導体の集積度が18ヵ月ごとに倍増することで、プロセッサやメモリ等半導体製品の価格低下・性能向上をもたらす「ムーアの法則」。電子機器の製品開発でも、専用のマイコン設計を必要とした少品種大ロット生産から、汎用のマイコンチップにソフト面で差別化する多品種少量に時代は変わってきている。製品分解と半導体から見える製品の背景とは。(ニコ技深センコミュニティ 高須正和)
専用チップばかりのスーパーファミコン
汎用チップのみのスーファミミニ
日立やルネサス、米国の半導体ベンチャーなどで長く半導体の設計を担ってきた清水洋治氏が創業したテカナリエでは、世界中のICT製品の分解や半導体チップの開封を毎日のように行い、その結果を毎週2本レポートしている。1本のレポートでは3つの製品を扱っているので、年間300製品、約1000個のチップを分解している計算になる。
そのテカナリエレポート143号では、1990年に発売された「スーパーファミコン」と、2016年の「ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータ(ファミコンミニ)」、2017年の「ニンテンドークラシックミニフスーパーファミコン(スーファミミニ)」の比較をしていた。そこからは、製品開発についての興味深い事実が浮かび上がってくる。
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1990年に発売された任天堂のスーパーファミコンには、15個の半導体チップが使われている。うち、ほぼ半数の7個はスーパーファミコンのためだけに設計された専用の半導体チップだ。