5Gビジネス『5Gビジネス』 亀井卓也 著 日経文庫 860円(税別)

 本書『5Gビジネス』は、日本では2020年春にサービス開始が予定されている「5G」とはどのようなものか、テクノロジーや通信ビジネスに明るくない人にも理解できるよう、わかりやすく解説している。

 著者の亀井卓也氏は、野村総合研究所のICTメディア・サービス産業コンサルティング部に所属し、情報通信業界における経営管理、事業戦略・技術戦略立案、および中央官庁の制度設計支援に従事する人物だ。

単に「速くなる」だけではない
4Gから5Gへの進化

 5Gとは何か。この2文字は「5th Generation(第5世代)」を略したものだ。2020年から日本で導入が始まるのは「第5世代移動通信システム」である。

「移動通信システム」というのは、スマホや携帯電話、タブレットなどで使用される、音声やデータをやり取りするシステム。現在は4G(第4世代)であり、これまで約10年ごとに世代が更新されている。

 NTTの前身である日本電電公社が、最初に携帯電話のサービスを始めたのは1982年。この時のシステムが1G(第1世代)。アナログ方式で音声のみの通信が可能だった。

 1990年代になるとデジタル方式の2Gが登場。携帯電話で、メールなど、データ通信ができるようになる。

 2001年には、高速データ通信が可能な3Gサービスがスタート。iPhoneが登場し、スマホの時代に。そして2010年からは、大容量のデータを扱える4Gになる。

 誰もが実感していると思うが、スマホは今の4Gで十分に速い。アプリも豊富で、私などは、ほとんど不自由を感じていない。来春の5G開始では、いったいどんな良いことがあるというのだろうか。