米中貿易摩擦などを背景に世界経済の先行き不透明感を懸念する声が多いなか、世界経済の持ち直しの動きもみえる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

米中通商交渉の再開決定も
世界経済の先行き不透明感は強い

 大阪で開催された20ヵ国・地域首脳会談(G20サミット)に合わせて行われた米中首脳会談で、通商交渉の再開が決定され、米国の新たな追加関税の発動が見送られることになった。交渉決裂による米中摩擦の激化が、世界経済に深刻な影響を与えるとの懸念は、いったん後退した格好だが、首脳会談での合意も具体的な内容に乏しく、今後、協議が停滞するとの見方が次第に増えてきた。

 世界経済の先行きに対する不透明感が払拭されず、日本企業の輸出環境の悪化が続くとの警戒感は根強い。また、米国の追加関税の発動は見送られたものの、これまでの米中両国の関税引き上げの影響が、すでに表れているとみる向きも多い。

 日本銀行は、輸出環境を包括的にモニタリングする指標「SCOPE」(Surveillance Indices for Critical Overseas Perils to Exports)を開発・公表している。SCOPEは、世界、日本、米国、欧州、アジアといった各地域の指標と、株価などの金融関連指標で構成されている。SCOPEを構成する指標で世界を対象としているものの中に、グローバル製造業景況指数(PMI)・新規輸出受注指数とOECD(経済協力開発機構)の製造業企業景況感指数があるが、両指標はいずれも低下が続いており、輸出環境の悪化を示唆している。