また会見の冒頭では、宮迫さんと田村さんへの処分の“撤回”を発表した。その理由について「宮迫君と田村君が、自分らしく才能を発揮できる環境ではなかった。信頼関係が揺らいでいることに責任を感じる」などと述べたところで嗚咽し、ハンカチで涙をぬぐい、約30秒間沈黙。そして、明石家さんまさんや松本人志さんの他、大阪で活動しているベテランの芸人たちからも、宮迫さんらを擁護する声が岡本社長に寄せられたことなどを明かした。

 処分撤回の理由については何度も質問が相次いだが、「ああいう記者会見を(宮迫さんと田村さんに)させてしまった」などと述べるばかりで、明確な答えはなかった。

 宮迫さんらは相手の素性を知らなかったとはいえ、反社会的勢力から金銭を受け取った事実を認めている。しかも、問題の発覚当初は他の芸人と口裏を合わせ、受け取っていなかったと会社に伝えていたとさえ20日の記者会見で認めている。

 その反面、彼らが明らかにした吉本トップのあまりに“コワモテ”な言動に社会の批判が集中したために22日の岡本社長の記者会見につながったわけだが、これでは、いわゆる“世間”の風向きを見て処分を撤回した、と見られても致し方ないであろう。

 かつての芸能界の一部では、暴力団が強い影響力を持っていたことは周知の事実だ。近年、こうした勢力は正体をなるべく隠し、巧妙に有名タレントらに近づくとされ、その存在を排除することは容易ではないとされる。

 だが、吉本は今や首相官邸にまで芸人を送り込んでギャグを披露させるほどの社会的影響力を誇る企業となった。こうしたつながりは許されるものではない。

 一方で、処分を受けた芸人たちに対し“身内の感覚”で「連帯責任で全員クビにするからな」などとトップが言い放つ企業もまた、社会の常識の範疇をはるかに超えている。反社も真っ青なガバナンス体制で成り立つ吉本の経営体制に、青ざめた視聴者もさぞ多いことだろう。

 こうした吉本経営陣の姿勢に対し、吉本所属の加藤浩次さんや近藤春菜さんら他の芸人が、生放送の情報番組で厳しい批判を始めた。ツイッターなどのSNSで批判を展開する所属芸人も続々と現れている。