リスクを取って夢を追いかけるという言葉にはロマンがありますし、起業とはそういうものだとおっしゃる先輩経営者も多いのですが、やはり、4割に迫る1年後の廃業率などの現実を突きつけられると、それを回避する方法があるのなら、それを試したいと考えるのが私たち人間でしょう。
実際、会社員のまま副業からスタートすれば、あれこれ試行錯誤ができるので、独立後に短期間で廃業に追い込まれるリスクを小さく抑えることができます。貯金を失い、会社員にも戻れなくなってしまうといった最悪の事態を避けるためにも、まずは会社員であることを維持しながら、一歩踏み出すことをお勧めしたいのです。
起業に必要な
3つのチカラとは?
では、どのようにすれば、それを実現できるのでしょうか?
会社に勤めながら、自分のやりたいこと、好きなことをして、起業準備を進める方法などあるのでしょうか?
答えは、「あります」です。ただし、何でも適当に、手当たり次第やればいいというわけではありません。
私はこれまで1万人以上の会社員に、「会社を辞めずに始める起業準備」についてアドバイスをしてきましたが、その活動の中で気づいたことがあります。
それは、ビジネスを立ち上げ、順調に軌道に乗せていく人には、3種のチカラがバランスよく備わっており、すぐに廃業に追い込まれてしまう人や、なかなか独立まで至らない人は、この3種のチカラのバランスが崩れている、ということです。
その3種のチカラとは、「知」「人」「金」のことです。
「知」は、私たちを前進させるチカラです。
経験に基づいたさまざまな知恵や知識があれば、私たちはたくさんのことを成し遂げることができます。新しいビジネスアイデアも生まれるでしょうし、トラブルを予防したり、問題にスムーズに対応できたり、行動に多くの選択肢を持ったりすることができます。
商品の知識、マーケティングの知識、リスク対策の知識、関連する法律の知識、会計・税金の知識など、起業するときにはたくさんの「知」が必要になります。
「人」は、私たちを支え、引き上げてくれるチカラです。
本音をいえる昔からの友人、同僚、家族、取引先、お客様、起業の相談ができる仲間など、起業をするときにはたくさんの人とのつながりが生まれ、協力と理解を得ながら進めていくことになります。